東京都知事選 細川護煕元首相の会見
2014-01-22


原発がなければ日本の経済が成り立たないという人がいますが、もう2年間原発は止まったままではありませんか。もちろんそのために火力発電の燃料費など相当なコストを海外に払っているわけですが、今までの無責任態勢によって天文学的なコストがかかっている。それが見えない形で税金として国民の負担にされて、原子力のコストが安いというごまかしとウソがまかり通ってきました。原発の安全性の問題、核のゴミのことを考えたら、原発がいかに割に合わないかは明白です。


同じコストをかけるなら自然エネルギーにかける方がよほど生産的ですし、新しい技術を開発していく可能性も開けていくと思います。世界自然エネルギー産業の成長を日本に取り込んで、成長の切り札にしていく絶好の機会です。今ここで方向性を明確に打ち出さなければ、50年100年たっても原発依存から抜け出すことは不可能でしょう。再稼働にストップを賭け、自然エネルギー大国日本を世界に発信していくときだと確信しております。


この選挙は小泉さんが言っているように、原発がなくても日本は発展していけると考える人と、原発がなければ日本は発展できないと考える人のまさに戦いです。私は原発がなくても発展していけると考える人とともに、その先頭に立って戦う決意です。

原発問題は都知事選の争点にふさわしくないという人がいますが、都知事の第一の任務は声明と財産を守ることです。東京から100〜200キロにある浜岡、東海第二、柏崎刈羽などでも、もし事故が起こったら都民の生命、財産は壊滅的な打撃を受けます。オリンピックや消費税、TPPどころではないんです。すべてのものが吹き飛んでしまうわけですから、原発問題こそ最重要テーマであることは疑う余地がありません。


さて東京は2020年のオリンピック、パラリンピック開催地に決定しました。私は当初、大震災後、仮設住宅に30万人近くの人たちがおられることを思いますと、原発事故後の復旧、復興にまだめどがつかない状態下で、オリンピック、パラリンピックに諸手をあげて賛成する気持ちになれませんでした。

しかし開催が決まったからには、2020年を新しい東京、新しい日本の建設にとって絶好の目標年にできると思い直し、むしろ開催を歓迎し、これを新しい日本をつくるチャンスとしてとらえるべきとの気持ちに変わりました。


ちょうど20年前、私は総理就任後最初の所信表明演説で、質の高い実のある国家、質実国家をめざすと政権の旗印として掲げました。大量生産、大量消費、大量廃棄の経済や生活を転換する必要性を痛感していたからです。大震災、原発事故を経てこのような方向性は今こそ決定的になったと感じています。オリンピック、パラリンピック開催を大きな目標に日本の経済や生活を変えていく。首都である東京はその先頭を走ってそのお手本になりたいと思っています。


脱原発社会は我々に地産地消の自然エネルギー普及とともに、地産地消の自然エネルギー普及とともに、経済活動や日常生活の電力消費の無駄の節減を要請しています。私は原発に頼らない東京を実現するため、公的部門、民間の自然エネルギー発電を促し、一方で電力消費節減に都民の協力を求め、省エネ技術開発を促進していきたいと思います。


災い転じて福となすという言葉がありますが、大震災、原発事故は日本を変え、東京を変えるまたとない機会にしなければ成りません。東京オリンピック、パラリンピックでは、協議、文化、環境の分野でさまざまな形で東北の皆さんに協力して頂き、その実質は東京・東北オリンピック、パラリンピックのようにできないものかとも考えています。



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