ドイツの引き揚げ断念はスイスの動きと関連しているとする説もある。11月30日にスイスでは住民投票が実施され、(1) スイス中央銀行は、国外に保管している全ての金準備をスイスへ持ち帰る、(2) スイス中央銀行の全資産の20%を金準備とする、(3) スイス中央銀行の金準備の売却を行わない、の是非が問われる。
金準備を全資産の20%まで引き上げるためには1500トンの金を5年以内に購入する必要があり、国外に保管されている金は2年以内にスイス国内へ引き揚げなければならなくなる。ドイツの引き揚げ計画を上回るインパクトだ。この住民投票で金の引き揚げへの賛成が増えないように、ドイツは引き揚げを断念した、あるいは断念するようにアメリカから強く要求された可能性がある。アメリカとしては報復、例えばスイスのタックスヘイブンとしての役割に対する攻撃を考えているかもしれない。
かつて、金はイギリスが支配していた。ボーア戦争(南アフリカ戦争)で金やダイヤモンドを産出する南アフリカを制圧したことによる。ウィンストン・チャーチルが台頭してくるのも、この戦争の時だ。
この利権で巨万の富と権力を握ったひとりがセシル・ローズであり、その後継者になるアルフレッド・ミルナーはRIIA(王立国際問題研究所)を創設する。アメリカで今でも大きな影響力を持つCFR(外交問題評議会)は当初、RIIAのアメリカ支部と見なされていた。
第1次世界大戦が終わった頃、南アフリカで算出される金はイギリス銀行を通じて売却されることになっていたため、結果として金取引をイギリスがコントロールできることになった。銀本位制でなく金本位制が広がった理由のひとつはイギリスの利害が関係している。
しかし、現在は金が「ペトロダラー」(石油取引をエンジンとしたドル体制)を揺るがす存在になりつつある。マレーシアの首相だったマハティール・ビン・モハマドは貿易決済に使う通貨として「金貨ディナール」を提唱、リビアのムアンマル・アル・カダフィも同じ方向へ進もうとしていた。金の保有量を増やし、自国で保管しようという動きもドルへの不審がある。
現在のドルは単なる印刷物にすぎず、為替取引は事実上、架空の「商品」を取り引きしているゲームにすぎない。ドルを印刷しているのはアメリカの市中銀行の出資する連邦準備銀行。この制度が成立したのはセオドア・ルーズベルト時代。
この政権は国家通貨委員会を設立し、委員長にネルソン・オルドリッチ上院議員(ジョン・ロックフェラーJrの義理の父で、モルガン財閥にも近い)を選んだ。オルドリッチはジキル島にあるモルガン財閥の別荘に巨大金融機関の代表を集めて秘密の会議を開き、連邦準備制度の青写真を作り上げている。そして1913年に連邦準備法が制定され、通貨政策を民間の銀行が支配する仕組みができあがった。
この不合理を是正するため、例えばジョン・F・ケネディ大統領は1963年6月に連邦準備制度の枠外で銀兌換紙幣を発行するように命令しているが、その5カ月後に大統領は暗殺され、命令は取り消されて市中に流通していた紙幣は回収された。大統領令が出された月にケネディはソ連との平和共存を訴える演説をアメリカン大学の卒業式で行っている。このふたつの出来事がアメリカ支配層を刺激したことは間違いない。
すでにロシアや中国を中心とするBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)やSCO(中国、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン)がドル離れの動きを鮮明にし、中国はカタールとの間で元を使った通貨スワップを結んだと伝えられている。
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スイスで国民投票ですか〓
11月30日に、この通貨戦争の決着が、かなりの部分明らかになるのかもしれないですね。
まあ、米国の戦争屋は何するか分かりませんが。。
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