TPP続報 交渉が再開されたようです。要注意!!
2015-10-04


TPP続報
交渉が再開されたようです。要注意!!

以下内田聖子さんツイッターより


内田聖子/Shoko Uchida 〓@uchidashoko
TPP:1日再延長 知的財産、対立残り - 毎日新聞 [URL] … マスメディアでも出始めました。


対立の構図は二国間だが、ことはそんなに簡単ではない。例えば知財では米国と対立するのは豪州だけでなくチリやペルー、マレーシアも。それらをいわば「代表して」豪州が米国と激しく交渉しているのだ。昨夜の閣僚会合でチリやペルーは「米豪の調整案を早くみせてくれ」と不満の声が相次いだという。

延長されたTPP閣僚会合の本当のリミットは明日いっぱい(10月4日)。なぜなら10月5・6日でトルコ・イスタンブールにてG20閣僚会合がある。米国、日本、カナダ、メキシコとオーストラリアの閣僚はここに出席しなければならない。つまりもうこれ以上の延長はない。明日までが最終戦。

確かに今、知財に関して激しく二国間交渉をしているのは米国と豪州だが、そこで出たなんらかの案を、豪州と同様5年を主張するペルー、チリ、マレーシアなども了承しなければ「決着」しない。米豪だけの都合で決めてしまうわけにはいかないのだ。それらの国が8年案を簡単に受け入れるとは思えない。

甘利氏に関していえば、G20のためではなく、7日に予定されている内閣改造のために10月5日にはアトランタを発たなければならないそうだ。TPPを「大筋合意」させて内閣改造の場に晴れ晴れしく立ちたいんでしょうねえ。。でもそうはならないぞ!!

アトランタより。こちらは3日(土)の夜10時半過ぎです。TPP閣僚会合の延期が決まってから、ずっと米豪など二国間交渉が続いています。つまりまだ本格的な閣僚会合は開かれていません。先ほど首席交渉官会合が始まりましたが、閣僚会合の行方はまったく不透明です。


閣僚会合が延期になってから今まで、医薬品データ保護期間について米豪が交渉をしていると思われます。その結果は、海外紙では「溝は埋まりつつある」という報道もありますが、わかりません。仮に米豪がまとまったとしても、その案をチリやペルー、マレーシアに提示し了解を得なければなりません。

どの国も、交渉で大きな判断をする際には、事前に国内の企業や関係者、議員などに打診し、国内調整をします。豪州も、米国が出してきた8年案について、今日の午後以来、国内調整をしていると聞きます。米国ももちろん「妥協」する場合は製薬企業は怒りまくるわけですから密に連絡を取り合っています。

こうした姿を何度も交渉会合で見てきましたが、まさに政府が企業のエージェントとして現場にきていると実感します。しかし、米豪での案ができても今度はチリやペルーがその案を見て、受入れる可能性があればこれら自国での国内調整を始めるでしょう。それが数時間で終わるのか?まさに時間との闘い。

豪州には日本と同様の国民皆保険制度もあり、医薬品を低価格で供給するシステムもあります。医薬品データ保護期間の5年というのも国内法で決められており、もしTPPでそれが延長されれば国内法を改正しなければなりません。それは当然、国民にとって医療・医薬品アクセスからの疎外につながります。

ですから豪州市民社会も今、国内で必死に「妥協するな、医薬品アクセスを守れ!と政府に働きかけています。私たちの仲間でもある「豪州公衆衛生協会」は就任直後のターンブル首相に要請書を至急出すなどして働きかけています。企業のロビイとはまったく逆の、命を守るために、です。

先ほどから閣僚会合が始まりました。延長決定から二国間交渉を経て初めての閣僚会合です。


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[TPP]

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