シリア アサド大統領への単独インタビューの文字起こし
2017-01-24


TBSが敢行したシリア:アサド大統領への単独インタビューの文字起こしが出ています。

以下引用


(星浩キャスター)
「現在シリアで起きていることやシリアの未来について大統領がどのように見ているかうかがう機会をいただきありがとうございます。まずお聞きします。アスタナでの和平協議が近くありますが、この和平協議に何を期待しますか?」

(シリア アサド大統領)
「まず初めにようこそダマスカスへ。この戦争が始まって以来初めて日本の視聴者に向けてお話できることをうれしく思います。アスタナ和平協議について期待はありませんが、協議がシリアの全ての党派の対話の舞台になってほしいとの希望はあります。最初の段階では優先事項のシリア各地の停戦合意について集中的に話し合うでしょう。人命を守り人道支援をシリアの様々な地域に行き届かせるためです。この和平協議が何らかの政治対話になるかはまだ明らかではありません。まだ誰が協議の参加者になるか分からないからです。シリアの和解プロセスに参加させるための政府とテログループ間の対話になるでしょう。停戦を成立させ、テロリストに武器を放棄させ政府から恩赦を与える― 現時点で期待できるのはそれだけです。」

(星浩キャスター)
「和平協議で移行政権について話し合う用意はありますか?」

(アサド大統領)
「話し合われる議題は、全て憲法に基づくべきです。これは政府と反体制派、あるいは政府とテロリストグループの問題ではない。シリアの未来を決める権利を持つ全てのシリア国民の問題だからです。私たちの憲法には移行政権なるものはありません。憲法に基づきシリアの異なる党派や様々な政治集団を代表する通常の政権を作ることはできます。これが私たちの提案です。私たちが国民統一政府と呼ぶ政権はシリア内外の全ての党派が参加できます。そのような政権ができた後に議会選挙について話し合える。その議会選挙の結果に基づき、また新たな政権ができるのです。」

(星浩キャスター)
「米新大統領ドナルド・トランプ氏がまもなく就任します。トランプ氏に何を期待しますか? どのような政策変更を期待しますか?」

(アサド大統領)
 「彼は数少ない政治経験のないアメリカ大統領の一人です。過去の大統領のほとんどが政治的な職業や地位に就いていました。彼はそうではありません。さまざまなメディアを見ますと、アメリカのメディアでさえそうですが、彼のビジョンを知らないために“予測できない人物”とみています。判断する上で根拠となり得るのは選挙期間中の彼のレトリックだけです。もしその中で良いものを挙げるとしたら、『テロとの戦い』という我々の優先課題です。トランプ新大統領は『イスラム国』との戦いが彼の優先課題だと言いました。もちろん『イスラム国』はテロの1つの側面1つの組織にすぎません。『イスラム国』について話すならヌスラ戦線についても話すべきです。シリア国内にはたくさんのアルカイダ系グループがいます。トランプ氏が『イスラム国』と言ったときテロリズムのことを言ったのだと思います。トランプ氏が優先課題としてあげたことは大変重要だと思います。我々は新政権が、テロについてのレトリックを偽りなく実行してほしいと期待します。それはシリアだけのためではありません。テロリズムはシリアだけの問題でなく中東の、そして世界の問題だからです。アメリカの新政権が、テロと戦うための現実的な協力関係を誠実に築いてほしい。もちろんその協力関係にはシリアが含まれます」

(星浩キャスター)
「以前のインタビューで大統領はワシントンDCのロビー団体に言及したが、ロビー団体が政策変更の障害になっていると思いますか?」

(アサド大統領)

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