ファッションの本質についてのワークショップその4 自分の中の何かが変化するような服
2012-10-19


禺画像]
photo MARTIN MARGIELA


竹田
「そうですね、じゃあ東京はファッションが楽しめる土地なんですね。でも私、全然ファッションを楽しんでないです。」



ccplus
「じゃあ楽しんでみますか?試しにこのBALENCIAGAのジャケットの腕に手を入れてみて下さい。」

注 BALENCIAGA(バレンシアガ)
フランスの老舗ブランドで、現在世界で最も注目を集めているデザイナーの一人、ニコラゲスキエールがデザインを手掛けている。2006年にはパリ装飾博物館で大規模な回顧展が行われた。洋服業界の誰もが憧れる、パリコレのトップブランド。

(竹田ジャケットの袖に腕を通す)



竹田
「え、なんですか、これ?ものすごく気持ちいいです!」


ccplus
「これがパリの老舗メゾンの本当のスゴさなんですよ。着心地がわけわからなくスゴいんです。気持ちいいというより官能的でしょ。」



竹田
「ほんとです、これは快楽ですよ。麻薬みたいに抜けられなくなりそう。なんか知ってはいけない世界のような気がします。」


ccplus
「ま、おいそれとは買える金額ではないから、大丈夫といえば大丈夫なんですけどね 笑」


竹田
「ちなみに、この辺のジャケットはいくらくらいするんですか?」


ccplus
「普通はジャケットで15万から20万くらいかな。もっともそれは半額で売ってますけどね。」


竹田
「...全然知らない世界があるのですね。」


ccplus
「そうですね、ふつうの人はこんな服着てみる機会がないから分らないと思うんですが(笑)こういう服を着ると、自分の中の何かが立ち現れてくるような気がします。なにかが目覚める服みたいな(笑)
じゃあ今度はAnnemie Verbekeのニットを着てみますか?」


注 Annemie Verbeke(アネミーベルベッカ)
ベルギーのブリュッセル派を代表するデザイナーで、特にニットのコレクションが素晴らしい。2006年ベルギーはブリュッセルモードがイヤーテーマで、ブリュッセルのカンブル校の先生である彼女がスポットライトを浴びた。


竹田
「ニットは大好きです。でも、いつも全然似合わないんですよ。店員さんていつも”お似合いですよ”とかしか言わないじゃないですか?
で、似合ってるんじゃないかと思って買って、あとで写真見たりすると全然似合ってないじゃないかと思ったり..」


ccplus
「僕は”あまり似合わないってお客さんにわりとハッキリ言いますけどね。変わった服屋なので」
注 お客さんに、ずけずけ似合わないなんて言わないでください。傷付くじゃないですか?と言われたこと何度もあり。でも、僕が売る前に言った方が、買ってから周りに非難されるより全然いいと思うのですが。。そうじゃないですか??


(竹田ニットを着る)


ccplus
「着ると全然違うでしょ?どうですか??」


竹田
「えー、こんな風になっているんですね。見ただけだと本当に全然分りませんね。でも、なんか似合わない気がする。」


ccplus
「そうですね、じゃ、こっちの方はどうですか??」


竹田
「では着てみます。」


(竹田ニットを着て出てくる)


ccplus
「あー、こっちの方が似合いますね。ほらフロントがクシャクシャっとしていたり、ここがふくらんでいたり、絞れていたりするでしょ。」


竹田
「ほんと、服って立体なんですね。着ないと全然分らない。私、今まで全然試着しないで買ってたりしたんですよ。」


ccplus
「それは駄目でしょ。基本的に試着させてくれない服屋は問題外だと思いますよ。服は着てみないと絶対分らないですから。
バイヤーの僕でも、見ただけではよく分らないものがいっぱいあるくらいだから、まして一般の人が分るわけないですよ。」


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