ファッションの本質についてのワークショップその5『パリコレ、アントワープと日本のデザイナー』
2012-10-20


禺画像]
写真は当ブログ管理人も開発に携わった『gare』の袖まくりブラウス。
メンズの大きいシャツを縮めてレディースの半袖ブラウスにした1点ものから、パターンを起こし直したもの。デザインMiho Tanaka

着丈の長さやふわりとした着心地、ドレープが秀逸です。
斜めになっているポケットも可愛い。後にアントワープのデザインデュオ A.F.VANNDEVORSTが真似して作ってます。




ccplus
「着出すときりがないんだけど...笑 これはRICK OWENSのロングカーディガンなのですが、これは上半身と下半身の素材が違うんですよ。で、下半身が身体にまとわりつくような素材で作ってあるんですね。だから、歩くと下の部分だけが身体に張り付いてセクシーな印象になります。もう計算されつくした素材と構造です。パリコレの一流デザイナーの服っていうのはやっぱりスゴいんです。」



竹田
「ほんとですね!」

注 RICK OWENS(リックオーウェンス)
パリコレには珍しいカリフォルニア産まれの異色デザイナー。ストリートと
ラグジュアリーの境界を走る人気デザイナー。かのヴィオネやグレといったバイアスカットの魔術師達に影響を受けた彼のカッティングは美しい。

体型が崩れた年配の方でも、着ると恐ろしくカッコヨクなり、呆然としたこと何度もあり。



ccplus
「これはSTEPHAN SCHNEIDER のワンピースです。和服にインスパイアされた服ですね。」

注 STEPHAN SCHNEIDER (ステファンシュナイダー)アントワープ王立アカデミー出身。ひねった解決法で作ったリアルな服で人気のデザイナー。プリントもカッティングも独特かつ、とても美しい。



(竹田ワンピースを着る)



竹田
「ほんとだ!和服っぽいですね。でも可愛いです。不思議な作りですね。」


ccplus
「ステプァンの服はパッと見ただけでは全然分らないことが多いのです。
もちろん、ふつうの服もありますが、着ると、いろんなところが変わっていること多いです。ホッとする要素があるといいますか。
「ユーモア無き服は死」と言ってますし。。



竹田
「私、なんて言うか、こういうデザイナーズブランドの服を着ると、もっと、いかにもファッションっぽい感じになってしまうのかと思っていたんですけど、なんだか全然違いますね。」


ccplus
「でしょ!?ここに置いてあるのはベルギー(とイタリア)のデザイナーのものが多いんですけど、ベルギーってほとんど流行とか無いんですよ。ずっと似たようなシックな服か、もしくは変わった服なんですね。ショップとかも同じお客さんに向けて、その人の趣味とか体型にあったずっと同じような感じの服を売っていくっていうことが多いんです。そこは、モードの中心地パリから2時間くらいの位置関係というのも関係しているかもしれません。ほどよく流行から離れているんです。だからいかにもファッション的な嫌らしさが少ないと思います。
それに案外、和服っぽいでしょう!?」



竹田
「ほんとですね、なんかしっくりきます。」



ccplus
「ベルギーのデザイナーは、コムデギャルソンとか日本のブランドの影響を受けたっていうこともあるのですが、そもそも、アントワープっていう都市は、16世紀に東洋との貿易で栄えた都市なんですね。日本とか中国とか朝鮮の生地とか陶器、磁器や家具などを輸入して、アントワープからヨーロッパ各地に商品を輸出していた中心地なんです。だから、街中に東洋のアンティークを売る店がいっぱいあったりするのです。


ほとんど誰も指摘していませんが、北部ネーデルランド出身の世界的な画家、レンブラントとフェルメールは、それぞれ東洋の陶器や磁器の影響を受けて、自身の画風を完成させたのだと思います。
テクスチャーがそっくりですもん。

続きを読む

[日本のデザイナー]
[海外のデザイナー]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット