暮らしのデザインのコツ ライティング(照明)を考える
2014-09-23


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暮らしのデザインのコツ ライティング(照明)を考える


上の画像は、光の画家ジョルジョ・ラ・トゥール



人間が人間らしく暮らしていく上で、衣食住というのが一番大切なのは、間違いないと思います。


その衣食住をどうクオリティアップさせていくか?
この連載では、考えていきたいと思います。


まず、一番簡単で安価、かつ効果が高く、しかも奥行きが深いもの、それは照明です。


日本で普通に暮らしていると、平板な蛍光灯の明かりに何の疑問を抱かずに生きていくことになります。

しかし、これは、人生における最も大切な楽しみを放棄しているようなものなのです。


筆者も、欧州に通うまでは、この平板な蛍光灯の明かりに何の疑問を抱かずに生きていました。

しかし、蛍光灯の光が極端に少ない街に滞在してみると、白熱電灯やろうそくや暖炉の明かりというのは、人間が本質的に美しく、落ち着き、安らぐと思う波長を持っている最も素晴らしい明かりなのだということに、段々気付いたわけです。


そうやって考えると、絵画の世界でも、素晴らしい絵を描く画家たちは、ライティングの効果を非常に巧みに使っていることに気付きます。


このうち、暖炉は難しいとしても、食卓を囲む際に、安全に灯されたろうそくの光を楽しむことや、白熱電灯の明かりを楽しむことは、ごくごく簡単なことです。


日本でも、戦前は、街灯にしてもガス灯でしたし、様々なところが白熱電球だったはずです。
ところが、欧州では、白熱電球の光が本質的に好きという理由で生き残り、日本は経済効率のために除去されました。

昼間の光の波長に近い蛍光灯は、人間が24時間働かされるために必要なものだったのです。


労働効率=蛍光灯ということです。


コンビニエンスストアの光は、昼間の光に近い設定にされています。24時間営業のためです。

24時間営業している場所があれば、当然、店員や流通や製造の人たちも24時間働かなくてはなりません。

でも、考えてみると、こうなったのって、ごくごく最近のことです。


人間は、光によって様々に変化します。
夜、不眠症を抱える人は、大抵昼間のように明るい蛍光灯の下に居るか、明るいパソコンやテレビの画面を凝視している人です。

夜間、照明を落とすだけで、人間は本来自然と眠くなるものなのです。


そして、朝、強い陽の光を浴びれば、たちまち覚醒します。

朝の光を浴びてから、通常15時間くらい経つと、眠くなる物質が分泌されます。
この時に、灯りを暗くして、眠くなったら眠れば、通常は普通に寝ることが出来ます。


というわけで、起きてから15時間以上経ったら、パソコンは閉じた方が良いと思います。


暮らしのデザインのコツ ライティング(照明)を考える と、白熱電灯の素晴らしさに行き着きます。


白熱電灯、一つ200円くらいで買えるわけです。
これほど、ゆたかで、しかも安い買い物を、筆者は他に知りません。(もっとも、消費電力は若干増えるので、電気代自体は多少高くなるかもしれませんが。。ただ、特に冬は白熱電灯で暖かくなりますので、灯りと暖房で一石二鳥です。)


夜、蛍光灯の光を止めて、白熱電球を灯すだけで、今までと全く違った豊かな明かりの世界が生まれます。

それは、光と闇が生まれるということであり、陰影が出来るということであり、揺らぎが出来るということでもあります。


なぜ白熱電灯の光を素晴らしいと感じるのか?
それは、フィラメントが燃えているためでしょう。


氷河期時代から、私達人間は、火を燃やすことによって、自分たちの身を守ったり、調理をしたり、様々な恩恵を受けてきたのです。


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