歴史を考える上で、まず最初に考えること。私達の思い込みについて考えてみる。 ―
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のつづきです。
昔の人達は、今よりももっと食料の獲得に生活を依存していたわけですから、効率的に確保出来てなおかつ美味しい食材を手に入れる方法を確立していたはずです。
そしてそれらの様々な食材こそが、世界の様々な地域の民族や生活・文化・文明を作ったのです。
もちろん、『日本』の民族や生活・文化・文明をカタチ作ったのも、ある食材です。
では、日本を形成する上で最も重要な役割を担った食物とは何でしょうか??
もしあなたが15000年前の日本にタイムマシンで飛ばされてしまったら、あなたはどうやってサバイバルするだろうか?
これを真剣に考えると、日本の原型が誕生した当時を知ることが出来るようになるはずです。
筆者なら、まず川沿いに川を下って海に出ます。
そして、海岸付近から真水が出ている場所を探します。
そこには、飲み水も食料も両方が存在するからです。
つまり、人間が暮らしていける場所です。
この仕組みは、15000年前も現在も変わっていないはず。
海辺を観察する
ここ10年あまり四季を通じて海に通ってみて分かったことがある。
海辺の四季
春になると、大潮で昼間に大きく潮が引いて陸地が現れる。
ここに様々な魚介類が存在する。
現代では漁業権によって自由に採取出来ないが、昔の人にとっては、伊勢エビやアワビやサザエやエビカニ、タコ、ウニ、アサリにハマグリ、カキなど美味な高級食材穫り放題な素晴らしい時期だったに違いない。
湾の奥には、数百億単位の小魚や子イカの群れを目にすることが出来る。
数千万匹の小鮎が河川を遡り始めるのもこの時期だ。
サクラマスも、桜の時期に河川へ遡上を開始する。
初夏になると、イワシやアジ・サバといった青魚が回遊して来る。
そしてそれらを追ってブリやカンパチといった大型の回遊魚も回ってくる。(時には海岸でイワシを拾えるほどだ)
さらに、イカも段々大きくなる(イカは1年で成長する)
夏になると内陸奥地に鮎やサクラマス(ヤマメ)が存在する。
秋になると鮎は河口付近に集まってくる。
そして河川を埋め尽くすほど大量の鮭が河口から遡ってくる。
秋と冬には、夜に大きく潮が引いて陸地が現れる。
火を扱うことの出来た人類は、タイマツによる灯りによって海辺の魚介類を他の生物よりも多く獲得出来たはずである。
真冬の海岸には、昆布や若布などの海藻が漂着する。
海岸には、ほぼ一年中食べられる野草が存在している。
ということだ。
これらの魚介類を古代の人達が食べていなかったはずが無い。
伊勢エビやアワビよりも『どんぐり』が食べたいという人は、よほどの変人だろう。
人口が増えてしまった現代は、それらは高級食材で滅多に口に出来ないものになってしまったが、人口が少なかった当時は、主食級の扱いだったはずなのだ。
というわけで、旧石器時代における日本において最も重要な食材、それは魚介類だった、中でも人間の進化に過程において、特にサケ・マスそれに鮎が重要だったと思います。
これらの魚達は、ある特定の河川に、季節ごとに数千万匹という大群を伴って遡ってくる魚達です。
しかも、ものすごく美味だった。
筆者は、美味であるというのは、最も大切な食料である証だと考えています。
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